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代謝・血糖

糖質をよく食べるのに疲れやすい——ビタミンB1不足が見落とされる理由

ご飯やパンをしっかり食べているのに疲れやすい、だるい、手足がしびれる——これらはビタミンB1(チアミン)不足のサインかもしれません。糖質代謝・神経への作用と補い方を分子栄養学の視点で解説します。

NJM編集部(監修:大黒 充晴/柔道整復師・臨床23年)ビタミンB1不足チアミン疲れやすい糖質代謝末梢神経エネルギー産生分子栄養学
糖質をよく食べるのに疲れやすい——ビタミンB1不足が見落とされる理由

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ご飯もちゃんと食べているのに、なぜかいつも疲れている——ビタミンB1という盲点

「炭水化物をしっかり食べているのに、エネルギーが出ない」「午後になると決まってだるくなる」「手先や足先がときどきじんじんする」——これらは一見、睡眠不足やストレスのせいと片付けられがちです。

しかし分子栄養学の視点では、こうした不調の背景にビタミンB1(チアミン)の不足が関わっているケースが少なくありません。

特に、糖質をよく食べる人ほどB1が消費されやすいという点は、多くの方に知っていただきたい重要な事実です。


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ビタミンB1(チアミン)とは何か

ビタミンB1は水溶性ビタミンのひとつで、正式名称をチアミン(thiamine)といいます。1910年代に日本人研究者・鈴木梅太郎によって米ぬかから発見された歴史ある栄養素です。

体内で合成することができないため、毎日食事から補う必要があります。また水溶性であるため、余剰分は尿として排出されます。体内の貯蔵量も少なく、不足すると比較的すぐに影響が出やすい栄養素です。

ビタミンB1が体の中でしている仕事

① 糖質をエネルギーに変える鍵酵素の補酵素

ビタミンB1の最も重要な役割は、糖質(グルコース)をエネルギー(ATP)に変換する代謝経路の補酵素として働くことです。

具体的には、以下の反応に必須です。

代謝ステップB1の関与
ピルビン酸→アセチルCoA変換ピルビン酸デヒドロゲナーゼの補酵素(TPP)
TCAサイクルのα-ケトグルタル酸変換α-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼの補酵素
ペントースリン酸経路トランスケトラーゼの補酵素

TPP(チアミンピロリン酸)と呼ばれる活性型B1がこれらの酵素の中心的な役割を担っています。B1が不足すると、糖質を食べてもエネルギーに変換できない状態になります。

② 神経・心臓の機能維持

ビタミンB1は、神経の信号伝達にも欠かせません。神経細胞はエネルギー源としてグルコースにほぼ依存しているため、B1が不足すると神経への影響が出やすくなります。

  • 末梢神経障害(手足のしびれ・感覚の鈍さ)
  • 心臓の機能低下(脚気心として知られる古典的な症状)
  • 脳への影響(ウェルニッケ脳症:重度の欠乏で生じる)

③ 乳酸の蓄積を防ぐ

B1が不足すると、ピルビン酸がアセチルCoAに変換できず、乳酸として蓄積します。これが「筋肉の疲れやすさ」「だるさ」「脚のむくみや重さ」として現れることがあります。

なぜ現代人はB1不足になりやすいのか

糖質を多く食べるほど、B1の消費量が増える

これが最重要ポイントです。ビタミンB1は糖質代謝の補酵素であるため、糖質の摂取量が多いほど消費量が増えます

白米・パン・麺類中心の食事で、B1を多く含む食材(豚肉・玄米・豆類)を十分に摂れていない方は、消費量>摂取量という状態になりやすくなります。

精製された食品にはB1が少ない

玄米にはB1が豊富ですが、白米に精製する過程で大半が失われます。精製された小麦粉でも同様です。糖質の塊である食品を食べながら、その代謝に必要なB1は除去されている——これが現代の食事の構造的問題です。

アルコールはB1を大量に消費する

アルコールの代謝にもB1が関与します。習慣的な飲酒がある方は、特に注意が必要です。

コーヒー・紅茶に含まれるタンニンはB1を分解する

タンニンはB1と結合してその吸収を妨げる性質があります。食事と同時に大量に摂る習慣がある方は意識してみてください。

ビタミンB1不足のサインチェック

以下に当てはまる項目が多い方は、B1の充足度を見直す価値があります。

  • □ 食事はきちんと食べているのに慢性的に疲れやすい
  • □ 午後になると急にだるくなる
  • □ 手足がしびれる・感覚が鈍い感じがする
  • □ 足がむくみやすい・重い
  • □ 筋肉がこりやすい・疲れが取れにくい
  • □ 主食が白米・パン・麺類中心
  • □ 週に3回以上お酒を飲む
  • □ コーヒーや紅茶を食事中によく飲む

B1を豊富に含む食材

食材B1含有量の目安ポイント
豚ヒレ肉(100g)約1.32mg最もB1が豊富な食材のひとつ
豚もも肉(100g)約0.90mg手軽に摂りやすい
玄米(180g)約0.27mg白米より約4倍多い
大豆・枝豆(100g)約0.30mg植物性のB1源
うなぎ(100g)約0.75mg土用の丑の日の知恵
ナッツ類(30g)約0.15mg間食として活用しやすい

B1吸収を助けるアリシン(にんにく・ねぎ)

豚肉と一緒ににんにくや玉ねぎを食べると、アリシンという成分がB1と結合してアリチアミンを形成し、吸収率が飛躍的に上がります(通常のB1の10〜20倍)。豚肉の生姜焼きにねぎを添える、豚バラとにんにくの炒め物など、日本の伝統的な食べ合わせはよくできています。

簡単レシピ:B1吸収率を高める「豚肉×にんにく炒め」

材料(2人分)

  • 豚ヒレ肉(薄切り):200g
  • にんにく:2〜3片
  • 玉ねぎ:1/2個
  • ほうれん草:1束
  • ハイオレイック紅花油:大さじ1
  • 醤油・みりん:各大さじ1

作り方

  1. にんにくを薄切りにし、油で香りを出す
  2. 玉ねぎを炒め、豚ヒレ肉を加えて火を通す
  3. ほうれん草を加えてさっと炒め、醤油・みりんで味つけ

ポイント:にんにく+豚肉の組み合わせでB1の吸収が格段に上がります。玄米ご飯と合わせると、B1の摂取量をさらに増やせます。

サプリメントで補う

食事でのB1摂取が難しい場合、サプリメントでの補充も選択肢になります。B群ビタミンは相互に作用するため、単体のB1より、B群全体を一緒に摂ることが望ましいとされています。

ニューサイエンス ビタミンB+——B群全体を同時にサポート

ビタミンB1(チアミン)を含むビタミンB群全体を配合。糖質代謝・神経機能・エネルギー産生を包括的にサポートします。

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ビタミンB⁺

作用機序:ミエリン鞘再生TCAサイクル補因子ホモシステイン代謝神経伝達物質合成

山田豊文先生監修。B1・B2・B6・B12・葉酸を含む複合ビタミンB群。末梢神経のミエリン鞘再生・エネルギー代謝(TCAサイクル)の補因子として神経修復を促進。

※ 本リンクはアフィリエイトリンクです。推奨は生化学的エビデンスに基づく個人的見解であり、特定疾患の診断・治療を目的とするものではありません。


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まとめ

ポイント内容
ビタミンB1の主な役割糖質→エネルギー変換の補酵素、神経機能の維持
不足しやすい理由精製糖質の過多、糖質摂取量に比例した消費増加
不足のサイン慢性疲労、午後のだるさ、手足のしびれ、むくみ
最善の食材豚ヒレ肉+にんにく(アリチアミン化で吸収率アップ)
食事で難しい場合B群全体のサプリメントで補う

ご飯をしっかり食べているのに疲れが取れない——その原因の一つとして、ビタミンB1という視点を持ってみてください。


本記事は教育目的の情報提供です。末梢神経障害・心臓症状などがある方は医療機関での診察をお受けください。

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